おいしい珈琲の淹れ方

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珈琲を美味しく楽しむためには、焙煎された豆を挽き、その後抽出しなければなりませんが、この抽出(淹れ方)には様々な方法があります。

1.ペーパードリップ

紙製のフィルターを使って抽出する方法。ペーパーフィルターが安価で手に入り易く後始末も簡単なため、比較的多く使われています。最近ではドリッパーも進化して、1杯分だけを淹れる場合でもしっかりと味を出すことができるようになりました。

2.ネル(布)ドリップ

リングを通した布フィルターで淹れます。使用後の布フィルターは、目詰まりを防ぐためしっかりと洗剤を使用せずに洗い、しっかりと乾燥させるなど若干の手間が必要ですが、ペーパーとはまた違うまろやかな味わいが出せます。

3.サイフォン

器具は、ロート・フラスコ濾過機、濾過布、アルコールランプまたは専用ガスバーナー、竹べらを使用します。道具が多く、専門店などで使われるように見た目も良く、パフォーマンス力もある抽出方法で、スッキリとした味わいになる淹れ方です。

4.水出し珈琲

見た目にも涼しく夏のアイス珈琲作りには最適です。水出し専用の器具が必要ですが、寝る前にセットしておけば翌朝には出来上がっています。お湯で落としていないので、味の変化も少なく4〜5日は美味しくいただけます。

5.フレンチプレス

珈琲を18g〜20g量り、目盛り1カップまでお湯を注ぎ、4分ほど経ってからプレスします。珈琲本来の持ち味がストレートに出て、珈琲の持つ油分までしっかりと抽出されます。スペシャルティなど、個性を楽しむには最適の抽出方法と言えます。

6.エアロプレス

専用のチャンバーにブランジャーをまっすぐ差し込み、ゆっくりと押し下げることで珈琲を抽出します。できあがりはフレンチプレスに近い感じですが、より珈琲の持ち味が前面に出てくる印象です。なじませる時間や押し切る時間で味の調節をする事ができます。

 

ここでは、一番メジャーで手頃な抽出方法である「ペーパードリップ」でのおいしい珈琲の淹れ方をご説明します。

 ペーパードリップでの淹れ方

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step 1

挽いた珈琲を入れて平らにします。挽き目は、細かいと味が濃くなり、粗いとスッキリした味わいになります。また使用するコーヒーの量は1杯なら15~17g。若干多めに使用します。挽き目・粉の量で出来上がりの味が変わりますので、お好みのポイントを見つけましょう。

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step 2

1回目のお湯は優しく置くように、中心から外側に円を描きながら落とします。その際にペーパーの淵、5mmほど手前で中心に戻ります。ペーパーにお湯が掛からない様に注意してください。

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step 3

粉が膨らみ、お湯が全体に浸透したら暫く(約30~40秒間)蒸らします。膨らみきって、しっとりしていた表面に小さなひびが入り出すまで待ちます。珈琲の良い香りが立ち上り始めます。

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step 4

2回目のお湯も珈琲の中心から外側に向けて「の」の字を描きながらお湯を落として行きます。この時もペーパーにお湯を掛けないように外側5mmくらい残して、500円玉の大きさの円をイメージしてください。

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step 5

粉がどんどん膨らんできたら、お湯が細くなったり途切れたりしないよう、しっかり落としていきます。お湯を落とし続け、ドリッパーにお湯がたっぷりある状態でも、直接カップに落とすなら8分目、グラスポットならカップ数の目盛りのところまできたらドリッパーを外します。

 

スッキリした味わいにしたい場合

やや粗めに挽いた珈琲を少な目に使用します。湯温は冷まし過ぎず、85〜86度。お湯をゆっくり注ぎ、粉を十分に膨らませて、蒸らしを少し短めの20秒程でまたお湯を注ぎましょう。お湯の落とし方はゆっくりでは無く、サッサッサッとリズム良く粉を膨らませながら落としてくのがコツです。

 

コクのあるどっしりとした味わいにしたい場合

挽き目を粗めから細かめに変えるだけで味わいは変わります。コクのある分厚い味の珈琲に仕上がります。ただし酸味が強い銘柄や、焙煎の浅い珈琲は細引には向きません。中深煎りで、コクのある銘柄をどっしりと飲みたいときにはお勧めです。

さらに粉の量、お湯の温度、蒸らしの時間、お湯の落とし方… これらの要素を組み合わせ、自分好みの珈琲を見つけて豊かな時間をお過ごしください。