珈琲をブレンドするのはナゼか??

一昔前のコーヒーと言えばブレンドが主流だったと思います。外食で出る珈琲がシングルオリジンという事はほとんど有りませんでした。

それにはいくつか理由があります。

一つに味の安定。やはりコーヒーも植物なので出来不出来というのがあります。そんな時に、焙煎やブレンドで調整し味を落ち着かすことが出来る。

もう一つは価格の安定。

ブルマンなど高級なコーヒーを楽しむときに、ブレンドをすることにより、価格を押さえ、飲みやすくすることが出来る。

他には、モカなど個性の強い豆を口当たり良くするためにブレンドをする等という場合もある。

しかし近年、スペシャルティコーヒーが出現し、シングルオリジンの個性が際立ち、焙煎方法や飲まれ方も多様化し、ブレンドで手を加える必要性が減ってきています。

ブレンドをすればその際立った個性が埋もれてしまうからです。

私もそう感じておりましたが最近、面白い依頼を頂き少し考えが変わりました。ある会社から、イベントをするときに参加者に珈琲を振舞うので、ウチのイベントに合うイメージでオリジナルブレンドを作って欲しいと依頼が有りました。

担当者の方に弊社に来て頂き、味見を重ねブレンドを完成させました。担当の方のお客様に対する想い、楽しんでもらいたい・喜んでもらいたい。それが珈琲1杯で表現できる。珈琲ってスゴイな~と同時にブレンドの力もスゴイな!っと感じました。

個性が少し失われても、美味しい珈琲をブレンドすれば美味しいモノが出来上がるし、味が重なることにより奥行きが出て立体的に味を感じる事が出来ます。

以前スペインのワインを紹介して頂く会で、ワインについて伺いました。

『このワインは8:2でブレンドしております。8は甘味の強いブドウを使い、2は酸味を加えました。そうすることによって味わい深くなります。』

と話して頂きました。

また先日テレビでお寿司屋さんの話で『パラパラするシャリとモチモチのシャリブレンドしている。そうすることによりより食感を楽しんで頂ける』とお話したはりました。

そこにはごまかしや逃げなどでは無く、より良いモノを作ろうとする意志を感じました。色々と試行錯誤して、より良いモノ作り、喜んで頂く。至ってシンプルな作業であります。

そしてその方法は無限にあり、自分という感性は一つしかありません。さあ、これからもより良いモノを喜んで頂けるモノを目指して!!